【教養のための世界史】東南アジアの諸王国

今日は東南アジア史。ここが第一の山場。複雑なものを整理しなければ。まとめて扱われるので苦手な人が多いのでしょうね。

世界史チャレンジ。大学受験や教養、旅行の前になど。毎日少しずつ知っていこう。

 

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青い文字をクリックすると関連した画像検索や記事に飛びます。絵や写真だったり、続きの話、前の話です。気になったらさっと見てみましょう。

 

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あらすじ

 ミャンマーでは、ビルマ人がパガン朝 → タウングー朝 → コンバウン朝の順番でイラワディ川流域に成立しました。

  

 タイでは、スコータイ朝アユタヤ朝ラタナコーシン朝の順番でチャオプラヤ川に成立しました

 

 カンボジアでは、扶南 → 真臘の順番で成立します。また、真臘のときにアンコール=ワット寺院が建てられました。

 

 ベトナムではドンソン文化が生まれます。それから、南では、チャンパーが成立しました。北では、李朝 → 陳朝 の順で成立し、次の黎朝はチャンパーを吸収し南北統一をしました。その後、西山朝ができました。

 

 スマトラ島では、シュリーヴィジャヤ王国、アチェ王国が出来ました。

 

 ジャワ島では、(古)マタラム朝、シャイレンドラ朝、マジャパヒト王国、マタラムウ王国が出来ました。

東南アジアの地図 

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 まずは地図で確認です。赤く囲まれている箇所が東南アジアです。この地域について勉強していきます。

 

ミャンマー

 まずはミャンマーからです。地図に川がありますが、その川をイラワディ川といいます。この流域、赤で囲まれた箇所がミャンマーです。

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 1044年(~1299)にパガン朝が建国されます。ビルマによる最初の統一王朝でした。ビルマ人とはミャンマー人の昔の呼び方です。そして、上座部仏教を受け入れました。そのため、東南アジアに仏教が広がるきっかけにもなりました。

 

 次に1531年(~1752)にタウングー朝が建国します。ヨーロッパとの交易で隆盛しました。この地域はインドが近いので、立ち寄りやすい地域だったのです。

 

1752年(~1885)にコンバウン朝が建国されます。ビルマ人の最後の統一王朝になります。(→ 続き 東南アジアの植民地化)

 

タイ

 次はタイです。地図に川がありますが、その川をチャオプラヤ川といいます。この流域、赤で囲まれた箇所がタイです。

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 13世紀(~15世紀)にスコータイ朝が建国されます。最初のタイ人の王朝になります。ミャンマーと同じ上座部仏教を受け入れます。

 

 1351年(~1767)にアユタヤ朝が建国されます。中国、ヨーロッパ、日本との通商、交易で繁栄しました。また、日本町というのがありました。日本が作った町です。当時日本は鎖国でしたので海外に行ったら帰って来れません。そのために定住したということです。山田長政が活躍しました。

 

 1782年(~現在)にラタナコーシン朝が建国されます。他と同じく上座部仏教が保護されています。(→ 続き 東南アジアの植民地化)

 

カンボジア

 次はカンボジアです。地図に川がありますが、その川をメコン川といいます。この流域、赤で囲まれた箇所がカンボジアです。

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 1世紀頃(~7世紀半)に扶南(ふなん)が建国されます。オケオという港からは、仏像、漢の鏡、ヒンドゥー神像、ローマ金貨などが出土されていました。

 

 6世紀頃(~15世紀)に真臘(しんろう)が建国されます。クメール人が建設し、ヒンドゥー教を国教にしました。全盛期はアンコール朝になります。その当時、アンコール=トムが王都として作られ、またヒンドゥー教の寺院としてアンコール=ワットが造営されます。カンボジアの国旗にはアンコール=ワットが書いてありますね。(→ 続き 東南アジアの植民地化)

 

ベトナム

 次はベトナムです。最初に地図から確認しましょう。ベトナムは、この赤で囲まれた箇所の地域にあります。

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 前4世紀頃、ドンソン文化が生まれます。青銅器、鉄器文化、稲作文化があり、また、銅鼓(→写真)が使用されていました。中国の文化の影響を受けていたため、このような高度な文明が生まれたのです。

 

 ベトナムは南北に分かれて見ていきます。まずは南ベトナムです。赤で囲まれた箇所で、インドシナ半島にあります。

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 2世紀末頃(~17世紀)、チャム人後漢から独立してチャンパーを建国します。17世紀までありました。これだけ長かったのは海上貿易で繁栄したこととインドと中国の中継貿易として栄えたからです。

 

 他の港と違い、中国によるときには、必ず立ち寄る場所でした。なので、中国の歴史書にも名前が載っています。後漢から唐では林邑(りんゆう)、唐末から清では占城(せんじょう)と書いてあります。

 

 次は北ベトナムを見ていきましょう。青で囲まれた部分が北ベトナムです。

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 11世紀(~19世紀)から王朝ができますが、まとめて大越国といいます。19世紀初頭まで続きます。最初は11世紀(~13世紀)に、李朝(り)ができます。できる前はずっと中国の支配を受けていました。なので名前が漢字なのですね。ベトナム最初の本格的な統一王朝になります。

 

 13世紀(~14世紀)には陳朝(ちん)になります。字喃(チュノム)(ベトナム文字)(画像)が作成されました。漢字を基にして作られています。

 

 15世紀には黎朝(れい)になります。南側のチャンパーを吸収して、南北ベトナムの統一を成功しました。

 

 18世紀には西山朝(タイソン、せいざん)になります。西山の乱によりクーデーターを起こす形で誕生しました。(→ 続き 東南アジアの植民地化)

 

スマトラ島

 まず、地理から確認していきましょう。スマトラ島は茶色で囲まれた場所です。このスマトラ島の歴史です。

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 7世紀(~14世紀)にシュリーヴィジャヤ王国が建国されます。都はパレンバンで、海上交易の要衝を支配する港市国家です。そのため、インドに行って帰ってくる人が立ち寄ったりします。それが義浄です。この国で『南海寄帰内法伝』で書きました。

 

 15世紀末(~1903)にアチェ王国が建国されます。イスラーム化の影響を受けた国です。ナツメグやクローヴなどの香辛料の輸出で繁栄します。(→ 続き 東南アジアの植民地化)

 

ジャワ島

 まず、地理から確認していきましょう。ジャワ島は青色で囲まれた場所です。このジャワ島の歴史を見ていきます。

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 8世紀(~10世紀)に(古)マタラム朝が出来ます。そして、8世紀半頃(~9世紀前半)、シャイレーンドラ朝ができます。

 

 さらに、928年(~1222)にクディリ朝、1293年(~1520頃)にマジャパヒト王国ができました。これらすべてはインドの影響を受けていました。

 

 1580年代末(~1755)に、マタラム王国ができます。イスラーム化の影響を受けています。内陸部の稲作と交易で繁栄しました。(→ 続き 東南アジアの植民地化)

マレー半島

 まず、地理から確認していきましょう。マレー半島は赤色で囲まれた場所です。このマレー島の歴史を見ていきます。

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 14世紀末頃(~1511)、マラッカ王国ができます。15世紀半ばにイスラームを受け入れます。そのため、ここから東南アジアにイスラムが広がっていきます。例えばアチェ王国マタラム王国に広がりました。(→ 続き 東南アジアの植民地化)

 ジャワ・スマトラ島の遺産

ボロブドゥール(→画像)・・・大乗仏教の石造遺跡でジャワ島にある。

 

ワヤン(→画像)・・・影絵芝居

 

略図

ベトナム北部

ドンソン文化

中国の支配 (2~10世紀)

呉朝大越国

↓ (前黎朝)

李朝 11世紀

陳朝 13世紀

↓ 明領

黎朝大越国 15世紀

↓ チャンパーを征服

↓ 鄭氏南越 / 阮氏南越

西山朝

阮朝南越国

 

ベトナム南部

チャンパー 2~15世紀

黎朝

 

カンボジア / メコン川

扶南 1世紀

真臘 6世紀

↓ アンコール朝 (クメ-ル王国)

アユタヤ朝に滅ぼされる

アユタヤ朝

 

○タイ / チャオプラヤ川

ドヴァーラヴァティ (モン人)

スコータイ朝 13世紀

アユタヤ朝 14世紀

ラタナコーシン朝 18世紀

タイ王国

 

スマトラ島

シュリーヴィジャヤ 7世紀

アチェ王国 15世紀

オランダ植民地

 

○ジャワ島

シャイレンドラ朝 8世紀 / マラタム朝

↓               ↓

↓             クディリ朝

シンガサリ朝 13世紀  

マジャパヒト王国 13世紀

マラタム王国 16世紀

オランダ領

 

マレー半島

マラッカ王国 14世紀

ポルトガル

 

ミャンマー(ビルマ) / イラワディ川

ピュー

パガン朝 11世紀

タウングー朝 16世紀

コンバウン朝 18世紀

イギリス領

 

今日はここまで。ではまた次回!

 

 

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