【教養のための世界史】 西ヨーロッパ世界の発展

今日は西ヨーロッパ中世世界の発展です。十字軍が出てきますね。単語しか覚えてませんけど。

世界史チャレンジ。大学受験や教養、旅行の前になど。毎日少しずつ知っていこう。

 

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あらすじ

  西ヨーロッパ世界は土地を求めて拡大していきます。十字軍やレコンキスタなどイスラーム教徒と戦うこともありました。

 

 拡大していくとモノと人が動き商業圏が生まれていきます。大きな都市は自治権(独立)を持つようになっていきました。

 

地図 

まずは、今日やる地域の場所を確認しましょう。赤で囲まれた箇所が舞台です。

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農業

 中世ヨーロッパは10世紀ごろから徐々に気候が暖かくなっていきます。その中で、三圃制(さんぽ)という新しい耕作方法と、重量有輪犂(じゅうりょうゆうりんすぎ)(画像)という新しい道具が登場します。

 

 三圃制とは、春耕地と休耕地に分け、3年周期の輪作を行う農法です。土地は、使いすぎると痩せてしまうので休ませる期間を設けるのです。

 

 重量有輪犂とは、鉄で出来た巨大な犂を牛が引っ張るものです。これにより、広い範囲を深く耕すことが可能になりました。

 

 これらが理由で穀物が多く取れるようになりました。そのため、人口が増えていき、土地が足りなくなっていきます。結果、新しいところに進出して、土地を広げていきました。西ヨーロッパ世界が膨張していきます。

 

 たとえば、12~14世紀には大開墾時代で、修道院を中心に開墾運動がありました。さらに、ドイツ騎士団を中心にエルベ川以東へ進出していきます。これを東方殖民といいます。ドイツ騎士団とは、キリスト教会が作った軍のようなものです。

 

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 イベリア半島では国土回復運動(レコンキスタ)がありました。当時、イベリア半島では、イスラーム教徒が大半を支配していました。その彼らを追い出して、土地を奪い返すという運動のことです。(前←イベリア半島のイスラム化)。 

 

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十字軍

 キリスト教がさらに普及していきます。

 

 11~12世紀には、巡礼が流行します。キリスト教に所縁のある土地にいきたいということです。カトリック教会の総本山であるローマ、イエスが活動していたイェルサレムキリスト教の遺跡が立ち並ぶサンチャゴ=デ=コンポステラなどです。

 

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 その後、イスラーム王朝のセルジューク朝がシリア、アナトリアに進出し、ビザンツ帝国を圧迫します(前←セルジューク朝の歴史)。そこで、ビザンツ皇帝はローマ教皇に救援を要請しました。

 

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 当時の教皇ウルバヌス2世クレルモン宗教会議十字軍の派遣を提唱します。これは、聖地イェルサレムに行けること、土地が獲得できることが理由で盛り上がりを見せました。

 

 1096年から1099年に第1回十字軍があります。結果、聖地イェルサレムの奪還に成功し、そこにイェルサレム王国を建国します。

 

 しかし、反撃をイスラーム勢力から反撃を受けます。アイユーブ朝サラディンイェルサレムを占領されてしまいます。(前←アイユーブ朝の歴史)そこで、英王リチャード1世、仏王、神聖ローマ皇帝が参加して、第3回十字軍(1189~1192)がありました。しかし、結局失敗に終わってしまいました。

 

 第4回十字軍の提唱者は教皇インノケンティウス3世です。この十字軍はヴェネツィア商人の策略でコンスタンティノープルを占領してしまいます。本来助けなければならないビザンツ帝国の都を占領してしまったのでした。

 

 ここは、アジア、ヨーロッパを接続する貿易都市で占領すれば莫大なお金が入ります。それに目がくらんだのでした。そして、結局自分たちの国、ラテン帝国を建国してしまいました。イスラームと戦っていません。

 

 ここから本来の十字軍の目的の聖地回復からずれていくことになります。

 

 実質最後の第6、7回十字軍(1248~1254、1270)です。仏王ルイ9世が単独でエジプト、チュニスを攻撃してしまいます。結果、失敗に終わってしまいました。

 

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  そして、十字軍の失敗から諸侯、教皇の信頼は落ちていきます。一方残った国王の力が徐々に強くなっていきました。

 

商業

 この十字軍で人とモノが動き続けた結果、交易ルートやモノの取引が出てきます。そして、商業活動が復活したことで、農村以外に都市が生まれていきました。

 

 有名な商業圏は3つあります。1つ目は地中海商業圏です。ここでは、東方貿易(レヴァント貿易)を行うことで、アジアから香辛料、宝石、絹織物などの高級品を輸入していました。主な都市は、ヴェネツィア(青)、ジェノヴァ(橙)、ピサ(黒)、ミラノ(赤)、フィレンツェ(黄)です。

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 2つ目は北ヨーロッパ商業圏です。ここでは、北海・パルト海交易で、海産物、穀物、木材、毛皮、毛織物など生活必需品を取引していました。代表的な都市は、北ドイツ諸都市のリューベック(青)、ハンブルク(赤)、ブレーメン(黒)などやフランドル地方(橙)のガン、ブリュージュアントウェルペンなどです。

 

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 3つ目は内陸商業圏です。ここでは、地中海商業圏とバルト海商業圏を接続する中継貿易で繁栄しました。主な街は、キエフ(黄)、ケルン(赤)、マインツ(黒)、アウクスブルク(青)などです。また、シャンパーニュ地方(橙)では、1年に5、6回の大規模な定期市が開催され、様々なモノが集まって、大きな取引が行われました。

 

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都市 

 中世の都市は封建領主から特許状を取得し、自治権を獲得しました。この場合の自治権は独立のことです。北部、中部イタリアではこの都市のことをコムーネといいます。ドイツでは、帝国都市と呼ばれました。

 

 この独立した都市は自分たちを守るために結束します。ミラノ中心、北イタリアのロンバルディア同盟や北ドイツのハンザ同盟です。盟主はリューベックです。このように、自分たちを守るために軍事同盟を結ぶこともありました。

 

 ドイツには「都市の空気は人を自由にする」ということわざがありました。荘園に従属していた農奴が都市に逃げ込み、都市に入ると、1年と1日居住すれば、都市法によって、自由な身分を得ることができたという意味を指します。それだけ都市は独立していたということです。

 

 都市の人々の生活の話です。商業利益や相互扶助を目的に商人ギルドが結成されます。ギルドは組合のことです。その後、彼らは都市の政治を独占するようになりました。

 

 これ以外に手工業者の組合である同職ギルド(ツンフト)がありました。手工業者たちは、親方、職人、徒弟など、厳格な身分に分かれており、同職ギルドに参加できるのは親方だけでした。

 

 この同職ギルドは市政を独占していた大商人に対して結束してたたかうツンフト闘争を展開します。そして、ようやく、同職ギルドも市政に参加できるようになりました。

 

 都市自体は諸侯や領主から独立していますが、都市内部では身分制度があり、不自由でした。

 

略図

              ○十字軍

               東フランク

                ↓

               ドイツ王国     イタリア(教皇領)

                ↓           ↓ レオ三世

               神聖ローマ帝国 

                     ↓

                     カノッサの屈辱

                           ↓ 十字軍1回目

                     ヴォルムス協約

                ↓           ↓

               シュタウフェン朝     

                ↓ フリードリヒ1世

                  ↓ 十字軍3回目

                          インノケンティウス3世

                           ↓ 十字軍4回

               フリードリヒ2世

                ↓ 十字軍5回目

               大空位時代

 

今日はここまで。ではまた次回!

 

 

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