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解説1
実は、自動詞しか取れない動詞、他動詞しか取れない動詞はとても少ないのです。ほとんどの動詞は、自動詞としても他動詞としても使うことができます。そのため、自動詞、他動詞の判断は、目的語の前置詞の有無、文全体の意味を参考にして判断しましょう。
解説2 他動詞と自動詞で意味が違う動詞
ex. I run (myself).
He ran in the park. 「彼は公園の中を走った」(自動詞)
He runs the store. 「彼はその店を経営している」(他動詞)
It runs in ther family. 「それは血筋なんです」
一番上の例文は、S=Oになっています。つまり、働きかける対象が自分にある場合は、Oが消えて、「自分を走らせる」→「走る」という自動詞になります。そして、「run」は「連続して進む」というイメージが核になります。ですので、他動詞は「店を走らせる」→「~を経営する」という意味になります。
ちなみにrun in the familyは「家族の中を進む」→「血筋です」という意味になります。では他にも見ていきましょう。
解説3
☆move
ex. I moved 「私は引越しした」 ← 自動詞
He moved the desk 「彼はその机を動かした」 ← 他動詞
自動詞は「引っ越す/動く」、他動詞は「~を動かす」
☆stand
ex. My house stands on the hill 「私の家は丘の上に立っている」自動詞
I can't stand her anymore「もう彼女には我慢できない」他動詞
自動詞は「立つ」、他動詞は「我慢する」
☆walk
ex. I walk. 「私は歩く」 ← 自動詞
I walk my dog. 「私は犬を散歩させる」 ← 他動詞
自動詞は「歩く」、他動詞は「~を散歩させる」
☆attend
ex. We attended. 「私たちは注意深く聞いた」 ←自動詞
We attended the meeting. 「私たちは会議に出席した」 ← 他動詞
自動詞は「注意して聞く」、他動詞は「~に出席する」
☆change
ex She changed completely「彼女は完全に変わった」←自動詞
He changed his opinion 「彼は自分の意見を変えた」←他動詞
自動詞は「変わる」、他動詞は「~を変える」
☆do。。。。
ex. This car won't do. 「この車ではダメだ」←自動詞
I have to do my homework「私は宿題をしないといけない」←他動詞
自動詞は「十分である、役に立つ」、他動詞は「~をする」
☆read
ex.This book can read in different ways「この本は違った解釈ができる」自
I read this book yesterday「私は昨日本を読みました」
自動詞は「読める、解釈される」、他動詞は「~を読む」
☆sell
ex.This car should sell at a high price「この車は高値で売れるはずだ」
I sold this pen yesterday「私は昨日、このペンを売った」
自動詞は「売れる」、他動詞は「~を売る」
解説4 自動詞と他動詞の形が似ている単語
lieとlay、riseとraiseの識別は別の記事で。
解説5 ニュアンスの違い
ex. He shot at the dog. ← 自動詞
He shot the dog. ← 他動詞
上の例文の2つとも「彼はその犬を撃った」という訳です。しかし、ニュアンスは違います。自動詞の文から見ていきます。atは「点」というニュアンスです。そして、自動詞は「単なる動作」です。つまり、犬という点をめがけて撃ったのです。撃っただけで命中しているかわかりません。
次は他動詞の文です。他動詞は後ろの対象物に動詞の力が及んでいます。つまり、犬をめがけて撃ち、力が及んだ(命中した)という意味になります。犬に当たったという意味を含むのです。
解説6 受動態
1、She was killed. 2、She was waited.
どちらが正しい文かわかりますか。答えは1です。理由は、killが他動詞で、waitは自動詞だからです。自動詞は後ろに目的語を取らないので、受動態の形にできません。
ex.The music at the dance was very loud and ( )from far away
1、could be hearing 2、could be heard
どちらが空欄に入るかわかりますか。答えは2です。hearは他動詞なので、後ろに目的語が必要です。しかし、空欄の後ろに目的語がないということは、受動態の形ということです。
解説7 関係詞
ex. Kyoto is a city I want to visit someday
1、there 2、where 3、which 4、what
答えは3です。先行詞はcountryで場所だからwhere と単純に選んではいけません。関係副詞の後ろの文は完全な形でなければいけません。ここで自動詞と他動詞の知識を使います。
では、この文の関係詞の後ろを見てください。visitは他動詞ですが、後ろに目的語がありません。つまり、この文は目的語が足りない不完全なのです。関係副詞は入れることができません。なので、目的格の関係代名詞whichが入ります。
ex.This is the house I was born in. (法政大)
1、where 2、when 3、whose 4、which
答えは4です。この問題も③と同じです。安直にwhereを選んではいけません。bornは自動詞のようですが、後ろに前置詞があります。自動詞の後ろに 前置詞を入れるのは後ろに目的語を入れるためです。つまり、この文は目的語が足りない不完全な文なのです。なので、目的格の関係代名詞whichが入ります。もしinがなければ、完全な文になるので、whereが正解になります。
覚えるポイント
1、自動詞と他動詞で意味が違うものを覚える
2、自動詞と他動詞を使った解き方を覚える