【ワンポイント英文法】the 比較級の構文

文法の解説。大学受験、英検、TOEIC、大人の学び直しなどに。

 

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 普通はtheがつくのは最上級です。それなのにtheがつく比較級を見ていきましょう。

 

解説1 the 比較級... the 比較級

 ex, The more she tried to get out of the situation, the more awkward it became.

  「彼女がその状況から抜け出そうとすればするほど、状況はますます困難になった」

  

  the 比較級~ the 比較級/// 「~すればするほど///」という意味になる。

 

  前に部分が条件になって、後ろのtheは「その分だけ」という意味。「~という条件のとき、その分だけ///」という意味。もとに戻すと

 

  As she tried more to get out of the situation, it became more awkward. だったが、下線部が前に行った形になる。  

 

解説2 発展

 語順に注意する。He had more booksの場合はどうなるか。The more he had booksにしてはいけない。正解は、The more books he had。more booksでひとカタマリとして考える。

 

 次は、S is likely to V の場合はどうなるか。これは、The more likely S is to V になるのでこれも語順に注意しよう。

 

 また、moreというプラス方向だけではなく、less、fewerを使うことでマイナス方向にもできる。

 

解説3 省略

 ex. The sooner, the better 「早ければ早いほど良い」

 

 これはSVが省略された一種の慣用表現になります。

  

解説4 倒置

 条件の部分のthe 比較級は、前に来なくても大丈夫です。つまり

 

 SV the 比較級, the 比較級 という語順でも大丈夫ということです。また、

 

 The 比較級 S V , the 比較級 V S のようにSVが倒置することもたまに起こります。

 

解説5 all the 比較級 理由

 ex.I will help you all the more for his industry.

  (=I will help you all the more because he is industrious.)

  「彼は勤勉だからいっそう援助してやろう」

 

  「all the 比較級 理由」で「~のせいでますます / だからいっそう」という意味になります。theは「その分だけ」という意味にです。allは強調の役割なので、ないこともあります。 後ろが名詞の場合は、前置詞のforを使い、後ろが文の場合は接続詞のbecauseを使います。

 

 「私はその分だけいっそう援助しよう」→「その分(どの分)?」→「彼が勤勉な分だけ」という流れになります。

 

解説6 none the 比較級 理由

 ex. His cold was none the worse for going out.

  「彼のかぜは外出したために悪くなったということはない」

 

 「none the 比較級 理由」で「~にもかかわらず///ない」という意味。

  noneは「差がない」というニュアンス。the worseで「その分だけ悪くなった」。でもnone「差がない」。「その分だけ悪くなったというわけではない」。つまり、変化がなかったということです。それを意訳すると先ほどの訳出になるというわけです。

 

解説7 none the less (理由)

 ex. I like her none the less for her faults. 

「彼女の欠点があるにもかかわらず彼女のことが好きだ」

 

 none the less 理由で「~にもかかわらず、それでもやはり」という意味です。考え方は解説6と同じです。「彼女の欠点が理由でその分だけ好きな気持ちが少なくなるというわけではない」が直訳になります。

 

 文頭や文頭に置かれ、none the less単独でも使うことができます。また、nonetheless「それにもかかわらず」という1つの単語もありますね。

 

解説8 the 比較級 of the two

 ex.Tom is the elder of the two (boys).

 「2人の少年のうちでは、トムが年上だ」

 

 「the 比較級 of the two」で「2者のうちでより~な方」という意味です。2つの内で1つに決まる、特定できるのでtheが付きます。

 

覚えるポイント

1、それぞれの構文を覚える

 

2、それぞれの構文の訳し方を覚える