【ワンポイント英文法】非制限用法

文法の解説。大学受験、英検、TOEIC、大人の学び直しなどに。

 

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解説1 カンマ

 簡単に言うと、関係代名詞の前にカンマがあるのが非制限用法。ないのが制限用法になります。伝わる内容が変わってしまうので注意して解釈しましょう。

 

解説2 違い

 

制限用法the relative clauses tell you which person or thing.(or what kind of

person or thing)  ~grammer in Use

 

非制限用法the relative clauses do not tell you which person or thing

  the speaker means.We already know which thing or person is meant.

 

 制限用法は関係詞節で説明を加えることで先行詞の意味を制限する用法です。一方、非制限用法は、先行詞を制限せずに情報を加える用法のことです。先行詞が固有名詞や特定できる場合、非制限用法を使います。また、継続用法とも呼ばれます。

 

解説3 詳しく

 上の説明でわからない人のためにスモールステップで見ていきましょう。

 

 まず、形容詞とはなにがわかりますか。形容詞とは名詞を説明する言葉のことですね。これを別の言い方で言うと名詞を制限するのです。

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 世の中にはネコがたくさんいますね。でも黒いネコはその中でも一部です。つまり、黒いという形容詞を使うことで限定しているのです。茶色のネコも同じです。このように形容詞とは名詞の範囲を限定する役割があるのです。

 

 かつ、このときに黒いネコという場合は他のネコがいることを暗に意味しています。黒いネコじゃなくて他の色のネコがいるのかなと自然と思うのです。この感覚を覚えてください。

 

解説4 具体例

 

  ex. She has two sons who work in tokyo.  ←制限

  「彼女には、東京で働いている2人の息子がある」

 

   She has two sons , who work in tokyo. ←非制限

  「彼女には息子が2人いるが、その息子たちは、東京で働いている」

 

     上の文は関係代名詞ですね。関係代名詞は形容詞の役割ですからさっきの限定の感覚があるのです。関係代名詞は制限用法とも呼ばれるのはそのためです。

 

  上の文は、東京で働いている息子が2人いると言っているだけなので、東京で働いていない息子もいることを暗に意味しているのだ。例えば、息子は、4人いて、2人は、大阪で働いていて、2人が大阪で働いている場合などもこの文ではありうる。

 

 では、2人しか息子がいなくて、その子たちを説明する場合はどう表現したらいいだろうか。それには非制限用法を使えばよい。それが下の文です。

 

 下の文は、彼女には息子が2人いるという文で一度完結している。ここで完結していると表すためのカンマなのです。そして、その2人の息子についての補足情報をカンマ以下で説明している。

 

 このように制限用法にすると説明されていない先行詞の存在が暗示されてしまうのです。そのため、先行詞が特定されている場合は、非制限用法を使う。

 

解説5 1つ

 この感覚がわかると1つしかないものに非制限用法を使う理由がわかる。例えば「太陽」には非制限用法を使う。なぜだろうか。

 

 それは、1つしかないから他の太陽が暗示できないからです。関係代名詞は形容詞なので制限の感覚があります。だから関係代名詞は使えないのです。

 

解説6 訳し方

 訳すコツは、前から訳し上げること。接続語と先行詞を補ってあげることです。

 

 補う接続詞はand (そして、すると)、but (しかし)、for (というのも)、though(~けれど)の4つのうちどれかで訳すといい。わからなければ、andで訳しておこう。

 

解説7 先行詞が句、節、文全体

  ex.He told me that he was a singer , which was a lie.

   「彼は自分は歌手だと言ってたが、それは嘘だった」

 

     It rained all day yesterday, which I expected.

   「昨日は一日中雨だったが、それは思ったとおりだった」

 

  上の文のwhichの先行詞はなんだろうか。この場合、he was a singer だと考えると意味が通じる。下の文も直前を先行詞と考えるのではなく、文全体と考えると良い。このようにwhichは、直前の文全体や句、節を先行詞にすることができる。

 

解説8 文中の挿入

  ex.Tom , who is always late , is already there .

「トムは、いつも遅刻するが、既にそこにいる。」

 

 非制限用法は文中に挿入されることがある。その場合はカンマで囲まれている。

 

解説9 関係副詞の非制限用法

  ex. I moved to Tokyo , where(= and there) I studied music

   「私は、東京へ引越し、そこで音楽の勉強をした」

 

    We played tennis until noon , when(= and then) we had lunch.

    「私たちは昼までテニスをして、それから一緒に昼食を食べた」

 

    関係副詞にも制限用法がある。訳は例文のように言い換えると良い。

 

解説10 非制限用法の注意

 

  1、that , what、why , how の非制限用法はない。

  2、前置詞+関係代名詞の非制限用法はある。

  3、非制限用法の関係詞は省略できない。

 

覚えるポイント

1、どういうときに非制限用法を使うのか

 

2、制限用法と非制限用法の違い

 

3、訳し方