【ワンポイント英文法】助動詞の入門

文法の解説。大学受験、英検、TOEIC、大人の学び直しなどに。

 

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解説1 助動詞とは

助動詞とは動詞を助けるから助動詞というのです。何を助けるかというと、動詞だけでは言い表せない意味を足してくれるのです。

 

 ex. 彼は英語を話します        →     He speaks Englsih 

 

   彼は英語を話すことができます  →     He can speak English

 

  たとえば、話すという意味に「できる」という意味を加えてあげる感じです。これを英語では、動詞の前に「~できる」という意味の「can」を置いてあげればよいのです。

 

解説2 なぜ助動詞を使うか

 

  ex.He plays tennis well    「彼はテニスがうまい」

   He can play tennis well  「彼はテニスをうまくできる」

 

  2つの例文の違いはなんだろうか。上の文は現在形なので事実を表します。彼は、実際にテニスをやっていて、しかもうまいということです。一方、下の文は、「能力」の話をしている。これは、客観的な事実でなく、頭の中で考えたこと、話し手の主観を話しているのである。彼はテニスがうまくできると(私は考えている)とおいうことである。このように助動詞というのは、動詞に話し手の主観を混ぜることができるのである。

 

解説3 基本の3ルール

 1、動詞の前に置いてあげる

 2、助動詞の後ろの動詞は原形にする

 3、助動詞を重ねてはいけない。

 

    ex. He can play tennis well.

 

  例文を見てみると、playの前にcanが置いてあるので1のルールを守っている。さらに、主語がHeなのにplaysではなく、playになっている。これは2のルールを守っている。

 

 さらに助動詞を重ねてはいけないというルールがある。

 

 たとえば、「できるだろう」というときに「can」と「だろう」の「will」を重ねてはいけない。そのため、canを「be able to」の擬似助動詞に変えて、「will be able to」にする。

 

解説4 否定文

 ex. He can play tennis. 「彼はテニスをすることができる」

 

 助動詞の否定形は、助動詞の後ろ、動詞の前に「not」を置いてあげる。can notの短縮形は、can'tになる。

 

 He can not (can't) play tennis. 「彼はテニスをすることができない」

 

解説5 疑問文

 助動詞の疑問形は、助動詞を1番前にもってきてあげる

 

 Can he play tennis? 「彼はテニスをすることができますか?」

 

解説6 haveとdo

 完了形で出てくるhaveや一般動詞を否定形や疑問文にするときに出てくるdoは助動詞になる。そのため、よく見ると否定や疑問のやり方は同じになる。

 

 You have been busy since yesterday. 

 → You have not been busy since yesterday. 

 → Have you been busy since yesterday? 

 

 You study English everyday.

 → You do not study English everyday.

 → Do you study English everyday?

 

 このようにhaveとdoは助動詞と考えると覚えることが整理される。

 

解説7 根源的と認識的

 助動詞には2種類の意味がある。1つは根源的用法。もともともっている意味です。そこから意味が派生して、2つ目の認識的用法の意味が生まれます。

 

 例えば、willは「wille(~しようと欲する)」という動詞でした。そこから「意志」という意味になります。これが根源的用法です。根源的用法には、能力、義務、許可などがあります。

 

 そこから派生して、話し手が意志を持っているなら、「ある行為をするだろう」→「きっと~するだろう」と推量の意味になります。他の動詞も派生して推量の意味が加わります。推量とは、話し手が物事の状態や程度、他人の心中をおしはかることです。こうではないかなと考えることです。つまり、自分の認識が現れるのですね。これを認識的用法といいます。助動詞には、基本的にこの2つの意味があるのです。

 

解説8 助動詞に過去の意味はない

 

  助動詞には過去の意味はないと考えるほうがよいです。それは、過去の意味を表すのは稀だからです。だから、過去の意味はなくて、一部例外だけ(時制の一致、could , wouldなど)過去の意味があると覚えたほうがいいです。過去形は、過去の意味を表すだけではない話は別記事で詳しくしてるのでそこを見てください。助動詞は基本的に現在、未来のことを表しています。

 

nicochan0923.hatenablog.com

 

解説9 助動詞の過去は?

 ex.I should have studied more...「もっと勉強しとけばよかった・・・」

 

  couldはcanの過去形と習いませんでしたか。しかし、助動詞の過去形には、過去を表すより、丁寧にしたり、確率を下げることに使われます。では、どうやって過去のことを表すのでしょう。

 

 それは、「助動詞+have+過去分詞」の形で表します。助動詞の後ろには、原形がくるという強いルールがあります。なので「助動詞+過去形」ということができないので、過去の意味も含んでいる完了形を使うのです。to不定詞と動名詞も過去を表すときは、完了形を使うのも同じ理由です。to不定詞の後ろも原形がきますので過去形が置けません。なので、完了形を使っているのですね。

 

そして、「助動詞+have+過去分詞」を使うことで「過去の推量」や「過去の後悔・非難」を表現できます。注意したいのは、hasは来ないということです。原形がくるので必ず、haveが来ます。また、完了の意味は全くないことも注意です。過去の意味として使われていますからですね。

 

解説10 まとめ図

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助動詞についてまとめた図になります。ここで注目したいのが言い換え表現です。学校では助動詞を別の表現で言い換える問題が出るので覚えておきましょう。

 

 

解説11 助動詞と似た表現

 

  ex.You must go home now (because I'm tired )

   「あなたはもう帰らなければならない(私は疲れたから)」

 

   You have to go home now (because it's late)

   「あなたはもう帰らなければならない(遅いから)」

 

  解説9でやったように、助動詞には言い換え表現があります。しかし、文字が違えば、必ず、意味が違ってきます。日本語にすると訳は同じかもしれませんが、ニュアンスが違います。

 

 このように助動詞と似た表現はたくさん習いますが、mustなどの助動詞と似た表現との違いは、主観的か客観的かどうかです。助動詞は、話し手の気持ちが入るため、主観的になります。一方、似た表現というのは、主観が入らないので客観的になります。例文を見ると、

 

 どちらも同じ意味になりますが、ニュアンスが違います。mustは「話し手が主観的に」しなければならないと思っているのですが、have toは「外部からの事情・状況で(客観的に)」しなければいけないと思っているのです。上の文は、自分が疲れたからという主観が入っていますが、下の文は、主観ではなく、時間が遅いからという外部の客観的な事情が入っています。

 

覚えるポイント

1、助動詞の3つのルール

 

2、過去を表すときはどうするか

 

3、訳と言い換え

 

4、否定と疑問のやり方