【教養のための世界史】 産業革命

今日は、産業革命です。イギリスがメインですが、他の地域も遅れてやってきます。

 世界史チャレンジ。大学受験や教養、旅行の前になど。毎日少しずつ知っていこう。

 

 

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条件

 イギリスは中世から伝統的に毛織物業が発達していました。やがて、インド産の綿織物(キャラコ) が注目されるようになります。海外貿易や国内消費で次第に需要が高まっていきます。そこでイギリス国内で出来ないかと考えるようになります。イギリスにはそれに投資する資本がありました。

 

 植民地戦争において、フランスに勝利したイギリスは、北米・インドなどの植民地を獲得しました。この植民地で綿花などの商品作物などを栽培させ、イギリスへ輸出させました。これにより市場の確保をしました。

 

 当時イギリスでは、ノーフォーク農法という新しい農法が完成していました。これを行うために、政府が主導して、第2次囲い込みを行いました。

 

 これにより追い出された農民が出ました。彼らが都市部へ流入し、工業労働者になりました。上記の3つの要素からイギリスでは産業革命が始まったのです。

 

イギリス

 イギリスの産業革命はまず綿工業から始まりました。当時需要が高かった綿製品を安く大量に作るには、機械が必要になっていきます。

 

 最初に開発されたのは、布を織るための織機です。ジョン=ケイによって飛び杼が開発されたました。その後、糸が足りなくなったため、紡績機が開発されます。ハーグリーヴスよって多軸紡績機アークライトによって水力紡績機クロンプトンによってミュール紡績機が発明されました。これにより、細くて丈夫な糸が作られるようになりました。最後にカートライト力織機を開発しました。

 

 このときに機械を動かす動力も開発されます。物を燃やしたときに生まれる熱を使って機械を動かす蒸気機関です。これを発明したのは、ニューコメンです。そして、ワットがこの技術を完成させました。ワットは当初、鉱山の排水ポンプ改良が目的だったそうですね。

 

 そして機械を作るための鉄工業も発達します。ダービー父子がコークス製鉄法を開発しました。石炭の不純物を除外し、高温焼却が可能になりました。このことで、質の良い鉄ができるようになりました。

 

 蒸気機関を使って、船を動かそうという動きが出てきました。フルトンが作った蒸気船が初の大西洋横断に成功します。

 

 さらに蒸気機関車も出てきます。ティーヴンソンによって蒸気機関車の技術が大幅に改良され、人を乗せて動いていくのが可能になりました。ストックトンからダーリントンで試験運転がなされます。そして、マンチェスターからリヴァプールで営業運転が開始されました。マンチェスター工業都市リヴァプールは港町です。このように作ったものをいち早く港に運んで輸出するという効率の良い輸出方法も生まれました。

 

社会の変化

  イギリスの産業革命は社会そのものを変えていきます。さらに各国へ広がっていきます。

 

 産業革命により、産業資本家が台頭していきます。工場、機械、道具、材料などの生産手段を持っている人です。簡単にいうと社長です。また、彼らは、労働力を雇って商品の生産を行い、利潤を得ます。この資本家階級と労働力階級が対立します

 

 マンチェスターバーミンガムリヴァプールなどの街に人々が集中することで、農村部に人がいなくなります。

 

 機械の登場により、女性・子どもが労働し始めます。そのことで給料が安くなっていきました。さらに、機械によって仕事が失われた人が、機械うちこわし運動が起こりました。ラダイト運動といいます。

 

 そして、世界でいち早く産業革命を向かえたイギリスは世界の工場と呼ばれました。

 

波及

 欧米諸国でも産業革命が始まっていきます。まずは、ベルギーです。イギリスの機械が輸出されるようになったので、近い国から産業革命が始まっていきます。そして、フランスで始まります。フランスでは産業革命は緩慢でした。それはフランス革命があったからです。

 

 次は、ドイツです。そして、アメリカで起こります。アメリカでは労働力が不足していたため、南北戦争後、解放された奴隷が工業でで働くことで始まりました。

 

 そして、ロシアです。ロシアはお金が足りないのでフランス資本によって、ようやく産業革命を迎えます。最後は日本です。明治政府のときに始まります。日清戦争日露戦争後に工業が本格化していきました。

 

略図

○イギリス

ステュワート朝

ハノーヴァー

↓ 産業革命

イギリス(ウィンザー朝)

 

○フランス

ブルボン朝

第一共和政

第一帝政

復古王政

七月王政

↓ 産業革命

第二共和政

 

○ドイツ

プロイセン王国

↓ 

ドイツ関税同盟

↓ 産業革命

ドイツ帝国

 

アメリ

フランス領とイギリス領

アメリカ合衆国

南北戦争

産業革命

 

○ロシア

リューリク朝

ロマノフ朝

↓ エカチェリーナ2世

↓ アレクサンデル2世 / 農奴解放令

産業革命

 

○ベルギー

オランダ

↓ 独立

ベルギー 

産業革命 1830年